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管理人その2こと藍沢です。

今回は前置きなしで、27日に参加してきました、岩手芸術祭文芸祭「小説大会」の話です。
割とざっくりめになりますが、よろしくお願いいたします。

それでは、始まり。

今年も例年通り、会場は岩手県民会館の会議室。
13時になると、事務局の方がやってきて部屋を開放いたしました。

今回も最初に到着していた藍沢、出欠の名簿に丸をつけ、他の参加者さんのお名前をチェック。
お名前を見て、びっくりしたお方もいらっしゃいました。

やがて、ぽつぽつと参加者さんたちが到着。
今回は優秀賞の方は欠席されましたが、代わりに意外なお方がひとり。
というのも、岩手県詩人クラブの会長さんも今回は応募されていたのでした。
先日にお逢いした際にはなにも仰っていなかったので、びっくりしましたね。

前日(26日)の児童文学大会でもお逢いしていた、岩手児童文学の会の副会長さんらも。
ちょろっと話題になっていたのですが、もうひとりの奨励賞の方と名前の読みが同じなので「同じ方なのでは?」とも思いましたが、どうやら違った模様です。

そして、昨年から選者さんを務められていらっしゃる、立川ゆかり先生と小原守夫先生も到着しました。
小原先生はちょっと駐車場でハプニングがあったみたいですが、それでもほぼ時間通りに到着でした。

今年は選者さんと事務局の方を除き、総勢7名の参加者。
応募総数は18編あったそうなのですが、大会の参加率はあまり高くなかったですね。

さて、13時半になった所で、いよいよスタートです。

まず、事務局の方の仕切りで、講師紹介・自己紹介がありました。
そのあと、先の台風で亡くなられた、川柳部門の芸術祭賞の方にも言及がありました。
やはり今年は、表彰式でもそのことに触れられるみたいで、少し雰囲気が違ったものになりそうです。

事務局の方からのお話があったあとで、いよいよ開会。
まず、今年の総評が語られました。

今年は全体的に、読み応えのある作品が多かった反面、書き方の基本ができていない作品も多かった、と小原先生。
そんなわけで、今年は原稿用紙の基本的な使い方のプリントも配られました。
故・三好京三さんは、常に辞書を手放さなかったとのことで、細かいミスなどがないかを常に辞書で確認する癖をつけた方がいいとのこと。
なお、小原先生も新聞記者時代は常に「記者ハンドブック」を持っていたそうです。
また、作品を書いて発表し、それで恥をかくことで、生きた経験を得られるとのことでした。

続いて立川先生。
今回の作品たちにも見られたようなのですが、ただ書いて投げただけのようなものもあったとのことでした。
それは「作品」とは呼ばないそうです。
また、やはり基本のできていない作品は、読んでいても読みづらさを覚える部分が多いとのこと。
基本を覚えてから、応用の形で崩しを入れてみるなど、変化のつけ方についても語られました。

再び小原先生。
新聞記者時代にやらかした失敗談が語られたのですが、とにかく「最低2回は読み直す癖」をつけた方がいいとのことでした。
というのも、小原先生ご自身、宮古支局に在籍されていたころに、大きな失敗をされたとか。
しかも、校閲部などもそれに気づかなかったらしく、お叱りを受けてしまったそうです。

さて、ここからは個別の作品の講評へ。
藍沢の作品は3番めに選評が語られました。
改めて書いておきますと、藍沢の作品『誓いの八相』は、奨励賞受賞。
剣道初心者の少年が、仲間のケガによって急遽、団体戦に出場することとなり、つけ焼き刃で「八相の構え」を習得してゆく話になります。

小原先生からあらすじがざっくり語られたあと、いただいた評はこんな感じでした。

「ラストが『胴が決まった』で終わっているが、審判の旗が上がったかどうかも書いた方がよかった」
「『稽古』か『練習』かで武道なのかスポーツなのかが分かれるので、きちんと統一を」
「剣道の団体戦は5人制が一般的なので、その説明は要らなかった」
「大会前の『いつもと違う空気感』の描写がすばらしいと感じた」

さすがは運動部長さんも経験された小原先生、スポーツのことには本当にお詳しいこと。
不要な描写と必要な描写について、的確に語っていただけました。
これはきちんと今後にフィードバックしたいですね。

続いて立川先生からの評。

「昨年(『きみに贈る冠』)の時よりも格段に上手くなっている」
「登場人物の性格の書き分けができている」
「とても真面目に執筆に取り組んだ印象を受けた」
「『画面に罅の入ったスマートフォン』のあたりの表現がすばらしいと思った」
「物語が直球すぎ、もうひと工夫がほしかったという意味で、奨励賞に落ち着かせた」

昨年と同じ奨励賞ではあったものの、その中身は大きく進歩していた模様。
丁寧に評価されているのだと伝わり、嬉しかったですね。

このあと、ちょっとしたこぼれ話として、立川先生からもうひと言。

「登場人物のネーミングについては、ライトノベルなどでならありだったかもしれない」

昨年にご指摘を受けた、安直すぎるネーミングについての補足みたいです。
実は今年も意外と安直なネーミングだったのですが、それは気づかれたのでしょうかね?

他の参加者さんたちも、それぞれに下された評について、熱心にメモを走らせていました。
昨年の優秀賞の方は選外となっていましたが、それでもめげずに努力を重ねている模様です。

最後に、質問コーナーがあったので、ちょっとだけ訊いてみたことが。
欠席だった優秀賞の方と、これまた欠席だった、今和さんの作品についてです。

今和さんの作品については、設定ミスが散見されたとのご指摘がありました。
また、タイトルについても一考を要するとのことでした。
このあたりはすでに今和さんに伝えましたが、どう受け止められたのでしょうね?

また、今和さんと自分が同じ「スポーツもの」だった上、テンポのいい文章を使ってきたことに、立川先生から言及がありました。
そのあたりについて「なにか傾向と対策でも練ったのか?」と。
これには素直に答えておきましたが、確かにちょっと研究した部分はあったものの、スポーツものでかぶったことはまったくの偶然です。

質問コーナーでおまけとして語られたこととして、以下のポイントがありました。

「まずは自分自身にあうスタイルを見つけてみて」
「作家の目を常に持っておくように」

このあたりも、まさに納得のひと言でしたね。

そんなこんなで、実り多かった時間はあっという間にすぎました。
今年もまた、充実した時間をすごせてよかったと思います。

以上、小説大会の報告でした。
藍沢がお送りいたしました。