福田パンものがたり

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毎月26日にお送りしています、コーナー「藍沢篠の書架」第42回をお送りいたします。
今回の紹介は、福田パンものがたり発刊委員会・刊の「福田パンものがたり」です。
書影は上の写真の通り。
盛岡出版コミュニティーより好評発売中です。

~あらすじ~

(ノンフィクションにつき割愛)

~感想・雑感~

1日1万食を売り上げる、通称「盛岡市民のソウルフード」こと福田パン。
某テレビ番組のコーナーで紹介されたため、耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
この本は、そんな福田パンについてのあれこれが濃縮されて収録された本になります。

それでは、中身の方へ。

内容は2部構成になっていて、第1部では文字通りに、福田パンについての、歴史などを中心としたあれこれが語られています。
福田パンはもともと、パン1個でもお腹いっぱいになるように作られました。
学校の購買などに卸していたのが好評を得て、爆発的にシェアが広がっていったのですね。

看板メニューのひとつ「あんバターサンド」が誕生したのは、実は偶然だったという話も。
その偶然が、いまでも福田パン中、トップクラスの売り上げを誇るロングセラーになったのもすごいですよね。

福田パンのもうひとつの強みが、店頭における「実演販売」。
ソフトフランスパン(←と社内では呼んでいる模様)に切れ目を入れ、目の前で具材をサンドしてくれる名物企画もまた、市民のこころをガッチリ掴みました。

福田パンに勤め、お客様の声を聞いている販売員さんたちの声や、実際のお客様の声も収録。
内外から大人気を博している理由の一端が窺えます。

さて、第2部は、創業者・福田留吉の物語。
福田留吉がどんな経緯を経て、現在に続く福田パンを生みだしたのかが語られています。

福田留吉は、岩手県の文豪といったらこの方、宮沢賢治の教え子でもあったのだとか。
数奇な縁から始まった、福田留吉の挑戦の話は、ぜひじっくりと読んでいただきたいです。

岩手県の誇るロングセラーのパン「福田パン」。
この本を読めば、そんな福田パンの歴史と現在を知ることができます。

福田パンを片手に、のんびりとした気分で読むと、楽しさ倍増かも。
ぜひ、福田パンの今昔物語を楽しんでいただければと思います。

~書籍データ~

初版:2019年10月(盛岡出版コミュニティー)

~作者さんの簡単な紹介~

監修:福田 潔(ふくだ・きよし)

1969年生まれ。岩手県盛岡市出身。男性。
「福田パン」創業者・福田留吉の孫。
現在は「福田パン」3代めの社長として、絶大なシェアを誇るパンを作り続けている。



本文:高橋文彦(たかはし・ふみひこ)

1955年生まれ。岩手県盛岡市出身・在住。男性。
岩手日報社・刊「北の文学」で優秀作に選ばれ、本格的に作家として活動を始める。
1992年に「颯爽と清廉に 原敬」を発表。
1995年に「魂のイコン 山下りん」を発表。
1997年に「岩手の宰相 秘話 原敬 斎藤実 米内光政」を発表。
その他の主な著作に「いわてのお寺さん 南部沿岸と遠野周辺」など。
ペンネーム「松田十刻」名義ではもっと多数の作品(主に歴史小説)を世に送りだしている。



……というわけで「藍沢篠の書架」第42回は、福田パンものがたり発刊委員会・刊「福田パンものがたり」でお送りいたしました。
この紹介から、実際に本をお手に取っていただけることを切に願っています。

それでは、次回をお楽しみに。