カメレオン

※写真:Wikipedia「カメレオン科」より

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【サークルについて】
http://ginganovel.blog.jp/archives/6777896.html

【メンバー紹介】
http://ginganovel.blog.jp/archives/6809588.html

状況によって表情を変える友人の姿を見て
なんとなくカメレオンを想像してしまった
特定の色を持たずに擬態するかのような
八方美人に近いその雰囲気というものに
気まぐれなカメレオンの生態を見いだした
そして同時にこれは病気ではないかとも

いうなれば仮面のようなものなのだろう
ある時は笑顔である時は神妙な顔になって
またある時はおちゃらけた色に変わって
でもそれがうわべだけだったらどうだ
仮面の裏側にあるきみだけの本当の顔は
もうとっくにいなくなったのではないかと

夕暮れ時にカメレオンへと餌を与えながら
お前はいったいなにを思っているかと問う
カメレオンはなにも答えずに舌を伸ばし
籠の中に入れた餌のコオロギを器用に食べ
張りついている木の枝と同じ色になる
やはり本当の色は見せてくれないままだ

いまのひとびとはみんなそうなのだろうか
本当の自分をさらけだすことに怯えて
結果として自分らしさを失ったのだろうか
自問自答を続けた末に至った答えなんて
ひとを信じていたいのに疑わざるを得ない
ある意味悲しさしか残らないものだった

カメレオンのように生きるひとたちへの
無粋な抵抗というわけでもないけれども
せめて僕だけはまっすぐに生きてゆきたい
周りにあわせるだけなんかじゃなくて
本当に僕の思った通りの僕でいることを
確かに大切にしてゆきたいと思ったからさ